PMをチームでやったら全員が成長した話

また今年もアドベントカレンダーのためだけにブログを更新します。 こうして1年ごとにそれまでの振り返りを書いていくと、自分の成長度合いを振り返ることができて良いなぁと思っています。

ということで今年は表題の「PMをチームでやったら全員が成長した話」という話を書いていきたいと思います。

概要

これまで個々のスキルと暗黙知で戦っていたFreakOutのProduct Manager(以下PM)メンバーをチーム化して起きた変化についてまとめてみます。

PMチーム化以前

弊社FreakOutでは、PMを明確にポジションとして用意しております。一方でPM自体の頭数は決して多くはなく、私が入った時点から今年の6月までは4人で回していて、そのプレースタイルは以下のようなものでした。

  • Head of PM(弊社役員)が基本的にほぼ全ての方針を決める
  • 個人スキルに寄った、人によって違うプロダクト開発スタイル
  • 他のPMがどの程度の知識があり、何をやっているのかをちゃんと把握できていない

こうして書くと問題があるように見えますが、FreakOutくらいの規模感(100人強)の会社だとPMは少数精鋭の人員配置をしておけば、個々のプレースタイルに任せた方がうまく回ったりします。これはエンジニアや営業でも同じことが言えるかと思います。

PMはプロダクト責任者なので、担当プロダクトについて他のPMにガチャガチャ言われたくかったりするというのもあります。

ただしこのやり方は当然課題があります。

  • 知識が個人ごとの暗黙知の継承だけで行われるので、知っていることの範囲がPMごとに、担当プロダクトごとに違ってしまう
  • Head of PMの意思決定が多く、Head of PMの発想以上のアイデアが生まれてこない
  • PM間での相互サポートが行われない

上記の課題には、今年の6月くらいまでは実は全く気づいていませんでした。前述の通り、FreakOutのPMは少数精鋭でしたので、皆自分で全部できてしまうのであまりチーム化する意味も感じていませんでした。また前述の通り、自分のやってることを他のPMにガチャガチャ言われたくないというのもありました。

チーム化のきっかけ

そんななか、ある日突然チーム化の機運が高まります。営業組織内にあった事業企画(商品開発等を行う部署)チームが解散するということになったのでした。

彼らはFreakOutのプロダクトアセットを使って、商品開発(プロダクト開発ではない)をしたり、アライアンスを組んだりといったことを仕事にしていました。 一方で、プロダクトに直接関われないが故に、やっていることが大きな成果に繋がりにくいという辛みを抱えていました。その辺が解散の理由になったのかもしれません。

私はかねてより、PMと一緒にやることで彼らを活かせないかと考え、コミュニーケーションを始めていて、ちょうど次週から一緒にプロダクトを考えようと言っていた矢先でした。

そして解散して彼らの行き先がどうなるのかと思っていたところ、なんとPMとして合流するということになり、FreakOut初の営業組織からのPMが誕生することになったのでした。

PM増員の過程で考えてたこと

合流したと言っても増えたのは事業開発を担当していた2名だけなので4名が6名になった程度でした。ただ合流した2名は、これまでのPMメンバーとの大きな違いがありました。

  • ソフトウェアのプロダクションコードを書いたことがない
  • 当然、開発・運用の知識がない
  • プロダクトの技術検証の経験がない(できない)

FreakOutの中心事業であるインターネット広告の世界は、プロダクトのアップデートが早く、使っている技術も製品仕様も超複雑な世界です。エンジニア経験のある私でも正直ついていくのがやっとといった具合です。そんな世界で、果たして彼らをPMとして一人立ちさせることができるのだろうか、と思っていました。

一人はSIerでプロジェクトマネージャー経験があり、新規事業にアサインされHead of PMと一緒にやっていくということで何とかなるかなと思っていました。

もう一人はFreakOutの管理画面の営業要件をかき集めてプロダクトにフィードバックする仕事をしていた経験があるので、管理画面開発のプロジェクトマネージャーとしては機能するかなと思っていました。ただそれ以上の存在になってもらわないと受け入れた意味がないし、PMの価値を認識してもらえないと思っていました。

当時自分は以下のようなことを考えていました。

  • PMがもっと機能する組織を作りたい
    • 「機能する」とはPMの意思決定が尊重され、開発・営業問わずプロダクトの方向性について真っ先にPMに話が集まる、ということ
  • そのためにはPMのプレゼンスを上げる必要がある
    • 「プレゼンスを上げる」とは、PMが何をやっている人で、何が得意で、何で価値を出す存在なのかということを全社員に認知させるということ
    • もっと言うと、価値ある存在であると認知させるということ

上記を実現するには、PM個々人のスキル強化と社内へのアピールをしていく必要がありました。

知識を揃える

それまでHead of PMと二人でやっていた週次の1on1をPMメンバーでの情報共有の場に変えました。プロジェクトの状況、プロダクトの状況、営業からのヒアリング状況などを週次ですり合わせることで、皆がプロダクト開発・改善にコミットしていけるようにしていきました。

また前述の管理画面担当のメンバーには時間を取ってinputすることで管理画面以外の部分も担当できるように引き上げました。やったこととしては以下。

  • HTTPのプロトコルレベルの話
  • インターネット広告がどのような通信で配信が行われているのか
  • データをやりとりするするのにどのようなインターフェースが使われているのか
  • どのプレイヤーがどこに絡んでくることでエコシステムがなりたっているのか

本当に基礎の基礎から説明しました。

一方で私にも変化がありました。営業組織から来た2名のPMは圧倒的地頭の良さを持っていて、かつこれまで多くのドキュメント作成経験があり、どのようにプレゼンをすれば人に刺さるかといった知識と経験を豊富に持ち合わせていました。私は彼らから資料作成やプレゼンの方法、戦略の立て方などの知見をもらうことができました。

こうして、お互いに積極的な情報共有をして知識を揃えていくことで、メンバー全員でディスカッションをできるレベルまで(私含め)全員引き上がったのでした。

プレゼンスを上げる

FreakOutではQiita::Teamを情報共有のツールとして使っているのですが、これまでPMが頭の中だけで考えていたことや仮説とその検証結果を言語化して、Qiita::Teamに投稿するようにしていきました。

これはPMが普段考えていることや、市場調査の内容、その頭の中にある情報が価値の源泉になりうることを、全社員に伝えることを目的にしていました。またエンジニアに対しては、自分たちが今作っているプロダクトにどのような価値があるのかを正しく伝える目的がありました。

またこれによって、結果として言語化することの価値にPMメンバーが気づけたのではないかと思っています。言語化する過程で思考が整理されるし、課題が見つかったりするし、何より全社員と目的を共有することでこれまでなかった角度から社内の協力を得られるようにもなりました。

またプレゼンスを上げるという意味でもう一つやったことが、週次朝会で毎週プロダクトアップデートを報告するというものでした。PMメンバーが週変わりで全社員の前でプロダクトのアップデート情報を話すというものです。

これには4つの目的がありました。

  • PMという存在自体の認知向上
  • PMがプロダクト開発をリードしている存在であると認識してもらう
  • 誰がPMなのか顔を正しく覚えてもらう
  • PMメンバーのプレゼンスキルの向上

プレゼンスキルはPMの個人スキルの話なので別ですが、それ以外は正にプレゼンスを上げるためでした。

PMは自分ではコード書かないし、自分では売らないわけです。必ず誰かの協力が必要で、それなくしてPMは価値を発揮できないわけです。

つまりPMの価値を理解してもらい、PMに協力してもらい、PMに情報を集めてもらう必要があるのです。そのためにはまず役割と顔を覚えてもらうという活動をしていくことが大事になってくるのです。

また営業組織から開発組織に来た新しいPMメンバーをエンジニア陣に認識させたかったというのもありました。

チーム化の副産物

週次のプロダクトアップデートのために毎週ディスカッション、日常的な情報共有、そういったことをやっていく過程で、これまで得られなかった様々な副産物が生まれました。

  • 営業組織が持っている顧客や代理店の情報が集まり易くなった
  • PMメンバーのプレゼンスキル向上
  • PMメンバーのファシリテーション、思考プロセス、仮説思考などのビジネススキル向上
  • PM間の積極的な相互サポート
  • プロダクト課題の改善
    • ディスカッションすることで、違う角度からの改善案が出るように
    • 知識を揃えたことで的外れな意見がなくなり、一人で考えていてはたどり着かなかったような価値あるアイデアが出るようになった

PMチーム化以後

PMをチーム化し、改善を重ねることで、以前と比べるとPMのプレースタイルは下記のよに変わりました。

  • それぞれが得意なスキルを活かしつつも、皆が同じ仕事ができるようになってきた
  • Head of PM一人の考えを超えるアイデアが生まれたり、プロダクトロードマップをPMチームで考えられるようになった
  • パラレルでより多くのプロジェクトを動かせるようになった
  • PM間の相互サポートが機能することで一緒に問題を考えられるようになった

チーム化する前は不安もありましたが、実際チームとして動くようになってから、表題の通り(私含め)全員が成長できたし、現在も成長を実感できていると感じています。この先、もっとPMチームをスケールさせていくには、制度面も含めもう一歩深い改善をしていく必要があるかと思っています。しかし今のPMチームなら自分たちで改善していけると自信を持って言える、そんなチームになれたなと思っています。

まとめ

PMをチーム化して機能させるには、

  • 知識を揃える
  • 積極的な情報共有を行う
  • 定期的にディスカッションの機会を持つ
  • 社内でのプレゼンスを上げる

そうしてチーム化すると、「全員が成長する」ということになります。


てことで、今年のアドベントカレンダーは以上になります。

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